大阪で“てっちり”を出すなら必須!飲食店のためのフグ免許取得ガイド
2025年09月05日 09:37
大阪では、「てっさ(フグ刺身)」や「てっちり(フグ鍋)」は、特別な食材として根強い人気があります。
これからフグ料理を新たにメニューに加えたい、てっちり専門店を開きたいと
考える飲食店オーナーも少なくありません。
ただし、フグ料理を提供するには、通常の飲食店営業許可とは別に、フグに関する特別な手続きが必要です。
特に大阪市では、独自の厳しいルールがあり、知らずに違反してしまうケースも見受けられます。
本記事では、大阪市内でフグ料理を提供するための流れを行政書士の視点で解説しながら、
スムーズな申請と営業開始につなげる方法をご紹介します。
1. フグ料理を出すには許可が必要?フグ調理の基本知識
フグには、猛毒の「テトロドトキシン」が含まれる部位があり、適切に処理しなければ命に関わるリスクがあります。
一般の人は、肝臓にだけフグ毒は存在すると思いこんでいる人が多いと思います。ですが、実際は違います。
フグの種類や季節によっては、毒が含まれる部位が微妙に異なるため、注意が必要です。
要するに、肝臓だけでなく、他の部位でも毒素が存在するリスクがあるということです。
そのため、フグの調理の仕方や提供の方法には、全国的に厳格な管理が求められており、自治体ごとに独自ルールが
設けられています。
大阪市でも「フグを扱うには登録や届出が必要」であり、手続きなしで提供すれば営業停止などの行政処分対象に
なる可能性があります。
2. 大阪市のフグ取り扱いルールは全国でも特異
大阪市では、「大阪市ふぐの取扱い等に関する条例」により、以下のような独自ルールが運用されています。
・フグを調理・提供するにはフグ処理者の登録が必要
・処理済みのフグを仕入れて提供する場合でも施設
としての届出が必要
・保健所への事前相談と衛生管理体制の確認が求められる
「仕入れたフグがすでに処理されているからOK」と思っていても、
届出や管理記録の保存など、店舗としての責任は免れません。
3. フグ処理者登録とは?取得の条件・方法を解説
フグ処理者になるには、以下のいずれかを満たす必要があります。
・フグ調理師試験に合格している
・大阪市などが実施する講習会を修了し、登録申請を行う
なお、講習修了後には、保健所にて「フグ処理者登録」の手続きが必要です。
また、調理者本人が登録していない場合でも、フグを取り扱う施設としての届出や衛生管理責任は発生します。
4. 飲食店営業許可との違い:「知らなかった」では済まないフグの手続き
フグ料理の提供には、以下のような追加手続きが必要です。
・フグ処理者登録
・営業施設としての届出
・保健所との事前相談と図面の提出
・衛生管理計画や記録の作成
つまり、「通常の飲食店営業許可」だけではフグは扱えないということです。
事前にこれらの準備を整えずに営業を始めてしまうと、思わぬトラブルに発展しかねません。
そして、店舗内に水槽を設置し、同じ店舗内でフグ処理(締め・裁き・有毒部位除去)を行う場合には、食品衛生法上「処理営業」としての許可が必要になります。
施設基準としては、有毒部位用施錠容器、フグ専用調理器具、冷凍設備などが必須となります。
いけす運用は、注文後に締める方式でも、処理行為となるため事前相談と届出が必須になります。
また、処理したフグの記録管理が必須となります。
実は、取り除かれたふぐの有毒部位は、生ゴミなどで捨てることは禁止されています。
ふぐの有毒部位は取り除かれたあと、各都道府県の条例に基づいて専用の容器に入れられ、ほかの食品や廃棄物と混同されないように鍵をかけて厳重に保管されます。
容器に鍵をかけるのは、盗難などによる悪用防止のためでもあります。
5. 実際に提供するまでのステップと行政書士ができること
以下は、てっさやてっちりなどを提供するまでの代表的な流れです。
【ステップ①】保健所へ事前相談
営業所管の保健所へ連絡し、フグの取扱いについて相談。店舗の構造や設備、提供方法によって
必要な手続きが異なるため、個別相談が必須です。
→行政書士は、相談前に提出する書類や質問内容を整理し、同行対応も可能です。
【ステップ②】フグ処理者の資格確認と登録手続き
フグ調理者資格や講習修了証を確認し、登録申請を行います。
→行政書士が、必要書類のチェックや代理提出をサポートできます。
【ステップ③】厨房設備の確認と図面の作成
処理施設には専用スペースや器具の区別が必要です。
図面や衛生管理計画書の提出が求められることもあります。
→行政書士は、保健所用の図面・レイアウト図・管理計画の作成支援を行います。
【ステップ④】届出書類の提出とフォローアップ
すべての書類をそろえて保健所へ提出します。
場合によっては追加の説明や訂正を求められることもあります。
→行政書士が一括で提出代行し、修正対応までサポートできます。
6. 安全安心にそして確実にフグ料理を始めたいなら行政書士にご相談を
フグの取り扱いは、単なる「届け出」では済まない繊細な許可業務です。
特に大阪市では、独自ルールや保健所の判断が加わり、
自己判断で進めると申請が通らない・営業開始が遅れるリスクがあります。
当事務所では、食品関連分野を得意とする行政書士が、以下のようなサポートを行っています。
・フグ処理者登録・届出手続きの代行
・必要書類の作成・図面支援
・保健所への事前相談や立ち会い
・衛生管理計画やHACCP対応のサポート