飲食店関係者必見、寄生虫のアニサキスについて
2025年09月24日 08:12
日々の業務お疲れ様です。さすがに、9月下旬ともなってくると、日中の気温30度を下回る日が出てくるようになりましたね。そろそろ、秋の気配を感じさせるようになってきました。
今年は、サンマが豊漁とのニュースが頻繁に出てきています。そうすると、新鮮なサンマが容易に手に入る反面、寄生虫のアニサキスに注意が必要になってきます。
今回は、飲食店経営者や従業員、特に調理師の方に再確認してもらいたい内容となっております。
先ずは、寄生虫のアニサキスに関するクイズにチャレンジしてみて下さい。
寄生虫による食中毒クイズ(飲食店従業員向け)
問1. 日本で最も多く報告されている寄生虫性食中毒の原因寄生虫はどれですか?
a. クドア・セプテンプンクタータ
b. ザルコシスティス
c. アニサキス
d. 魚介類を食べることで感染する寄生虫
問2. アニサキス食中毒を予防するために、最も効果的な対策はどれですか?
a. 魚介類をよく噛んで食べる
b. 魚介類を-20℃で24時間以上冷凍する、
または中心部まで70℃以上で加熱する
c. 新鮮な魚介類のみを扱う
d. 酢やワサビをたくさん使う
問3. クドア・セプテンプンクタータによる食中毒の主な原因食品はどれですか?
a. サバ
b. イカ
c. サケ
d. ヒラメ
問4. ザルコシスティスによる食中毒の主な原因食品はどれですか?
a. サバ
b. イカ
c. 生の鶏肉や生の牛肉
d. ヒラメ
問5. 寄生虫による食中毒の一般的な症状として、最も多く見られるものはどれですか?
a. 発熱
b. 腹痛、吐き気、嘔吐
c. 頭痛
d. 下痢
問6. 寄生虫性食中毒の予防策として不適切なものはどれですか?
a. 加熱調理を徹底する
b. 冷凍保存を適切に行う
c. まな板や包丁を熱湯消毒する
d. 生食用の魚介類は信頼できる業者から仕入れる
問7. 以下のうち、アニサキス食中毒の予防策として最も効果が期待できないのはどれですか?
a. 魚を-20℃で24時間以上冷凍する
b. 魚を焼いて中心部まで火を通す
c. 魚の内臓を速やかに取り除く
d. 魚を酢で漬ける
問8. 魚介類からアニサキスを肉眼で確認する方法として、最も適切なものはどれですか?
a. 暗い場所でじっくり見る
b. 水につけて浮き上がるのを待つ
c. 光を当てて透かして見る
d. 顕微鏡で確認する
問9. アニサキスは、魚のどの部分に寄生していることが多いですか?
a. 皮膚
b. エラ
c. ウロコ
d. 内臓
問10. 寄生虫による食中毒の症状が疑われる場合、まず最初に行うべきことは何ですか?
a. 自分で吐き出す
b. 様子を見る
c. 薬を飲む
d. 医療機関を受診する
クイズの答え
問1. c. アニサキス
【解説】 アニサキスはサバ、イワシ、カツオ、サケ、イカなどの魚介類に寄生する線虫です。生きたまま摂取すると、胃や腸の壁に食いつき、激しい腹痛や吐き気、嘔吐などを引き起こします。
問2. b. 魚介類を-20℃で24時間以上冷凍する、または中心部まで70℃以上で加熱する
【解説】 アニサキスは冷凍や加熱に弱いです。-20℃で24時間以上冷凍するか、または中心部まで70℃以上で加熱することで死滅させることができます。酢やワサビでは効果がありません。
問3. d. ヒラメ
【解説】 クドア・セプテンプンクタータはヒラメに寄生する寄生虫で、特に生食用のヒラメが原因となる事例が多く報告されています。
問4. c. 生の鶏肉や生の牛肉
【解説】 サルコシスティスは牛や豚、鶏などの筋肉に寄生する原虫です。加熱が不十分な生の肉を食べることで感染することがあります。
問5. b. 腹痛、吐き気、嘔吐
【解説】 多くの寄生虫性食中毒では、寄生虫が胃や腸の壁に食いつくことで、激しい腹痛や吐き気、嘔吐などの症状が現れます。
問6. c. まな板や包丁を熱湯消毒する
【解説】 まな板や包丁を熱湯消毒することは細菌やウイルスの予防には有効ですが、魚介類に寄生している寄生虫の食中毒予防には直接的な効果はありません。寄生虫は魚介類の内部にいることが多いため、魚介類自体の適切な処理(加熱または冷凍)が最も重要です。
問7. d. 魚を酢で漬ける
【解説】 酢や塩、わさびなどではアニサキスを死滅させる効果は期待できません。確実な予防策は加熱または冷凍です。
問8. c. 光を当てて透かして見る
【解説】 アニサキスは白色の糸状で、肉眼でも確認できます。魚の身を薄く切り、光を当てて透かして見ると見つけやすいです。
問9. d. 内臓
【解説】 アニサキスは魚の新鮮な内臓に寄生していることが多いです。魚が死ぬと筋肉部分へ移動するため、速やかに内臓を取り除くことが重要です。
問10. d. 医療機関を受診する
【解説】 寄生虫性食中毒が疑われる場合は、自己判断せず、速やかに医療機関を受診し、医師の診断を仰ぎましょう。
どうでしたか?全問正解できましたか?
〇✖の結果に左右されずに、ここで再確認していただけたなら幸いです。
もし、勘違いしていたのならここで軌道修正して下さい。
アニサキスによる食中毒の予防方法のまとめ
・魚を丸ごと一匹購入した場合は、速やかに内臓を取り除いて下さい。内臓に寄生するアニサキスが身の方に移動してしまいます。
・目視でも、ピンセット等で簡単に除去できる場合があります。厚生労働証のホームページなどで、姿や形を覚えておけば除去できます。
・釣具店などで販売されている市販のアニサキスライト等で確認できる場合もありますが、皮や骨に平行に沿って寄生している場合には、見つけ出すことは困難です。
・極力、内臓の部分を生で食べないようにしてください。身よりも内臓側に寄生している場合が多いということを思い出してください。
・一般的な料理に使用する食酢、しょうゆ、ワサビ、ショウガなどをつけても死滅しません。調理師の人でも誤った認識をしている人がいます。特に、注意して下さい。
・普通に数時間冷凍しても死滅しません。確実にマイナス20度で24時間以上冷凍しないと死滅しませんので注意して下さい。
・アニサキスは、サンマ以外の海産物イカ、サバ、タラなどにも寄生している場合もあります。
・70度以上の温度で、1分以上加熱調理すれば死滅します。
これからも、飲食店を開業している皆様や開業予定の人達にとって、営業に役立つ情報をお届けしていきますので、どうぞご期待ください!
特に、食中毒防止に役立つHACCPの導入支援の情報やチェックリストなどの書式集についても、情報提供していく予定です。