(1)「HACCP」について 「HACCP」とは、「Hazard Analysis and Critical Control Point」の略で、「ハサップ」と読みます。 それぞれの単語の意味を書き出すと、「Hazard」:危険とか危害の意味、ハザードランプを思い出すと、イメージし易い「Analysis」:分析とか解析の意味「Critical」:危機的な、致命的な、重大な、重要なの意味「Control」:コントロールとか管理、制御の意味「Point」:箇所とかポイントの意味になります。直訳すると、行動をおこす際は、危険になるところを分析した上で、重要ポイントをコントロールして対処する。というのが大体の意味になると思われます。この考え方を、飲食店などを経営する食品事業者にあてはめて考えていきましょう。これまで食品を扱う際には、ベテラン従業員達が培ってきた「勘や経験」に大きく頼ってきたわけです。しかし、これではベテラン従業員達の欠員ができた時など、いざという時に対処できないと考えられます。そこで、食品を扱う工程ごとに、それぞれのリスクを分析し、管理することで経験の浅い人が、食品を扱う場合でも、「勘や経験」に頼らなくても食品の安全性を確保していくことができるようにする衛生管理の手法が、HACCPと呼ばれるものなのです。この手法が、海外の食品事業者の衛生管理に非常に効果的であったことから、日本でも食品事業者への導入が本格的に検討され、2021年6月1日から、HACCPに沿った衛生管理が施行(厚生労働省ホームページを参照)されました。ですから、現在の日本では、飲食店や食品を製造販売する事業者は、HACCP導入が義務化されているのです。