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大阪市内で発生した食中毒事件について (令和7年6月24日の速報値をもとに考察)

2025年07月12日 11:33

大阪市内で発生した食中毒事件について

令和7年度上半期の食中毒発生状況

今回、大阪市健康生活衛生部生活衛生課食品衛生グループが発表されているデータを

引用させてもらい、令和7年度上半期の食中毒発生状況をまとめさせてもらいました。

令和7年6月24日の速報値

食中毒発生件数:21件、患者数:215名でした。

2月は、6件ともノロウイルスが原因でした。

3月は、5件(内2件はカンピロバクター、3件はノロウイルスが原因)でした。

4月は、5件(内2件はカンピロバクター、2件はノロウイルス、1件は黄色ブドウ球菌が原因)でした。

5月は、3件(内2件はカンピロバクター、1件はセレウス菌が原因)でした。

令和6年1月1日から6月30日までの食中毒事件と比較して言えること

(現時点での速報値に基づく推測)

現時点で確認できる限りの速報値(年間累計のようなデータ)を比較すると、

以下のことが推測されます。

発生件数: 令和7年の速報値(21件)が、令和6年の速報値(18件)よりも多くなっています。

患者数: 令和7年の速報値(215名)が、令和6年の速報値(282名)よりも少なくなっています。


この速報値からのみ判断すると、

食中毒事件の発生件数は、令和6年同時期と比較して増加傾向にある可能性があります。

しかし、1件あたりの患者数は減少傾向にある可能性があります。

これは、大規模な食中毒事件が減少している一方で、小規模な食中毒事件の報告件数が

増加している可能性を示唆しています。

原因としては、食中毒に対する市民や飲食店の意識向上、あるいは

保健所の監視体制の強化による発見件数の増加などが考えられます。

ただし、これらの情報はあくまで速報値であります。

令和6年度及び令和7年度ともにカンピロバクターが原因菌の食中毒は、時期に関係なく

発生する傾向にあり、原因施設も鶏肉を扱っている大衆酒場や焼き鳥店で複数発生していました。

食品を扱うプロは、食中毒の情報だけでなく、個別の食中毒菌の知識や食中毒防止方法についても

再確認していきましょう。

その他の食中毒事例

その他、注目すべきは、6月14日に発生した食中毒の事例で、

コース料理を提供した飲食店で、ノロウイルスが原因で発生したケースです。 

ノロウイルスの食中毒事件は、多くの事例から冬場に発生するイメージを持っていましたが、

夏場でも発生するんだなと認識を改めました。

冬でも、夏でも、季節に関係なく、手洗いの徹底、従業員の体調管理、トイレ掃除の徹底など

HACCPを導入した衛生管理で、食中毒事故防止に努めてまいりましょう。

今後も、定期的に大阪市の食中毒情報や食中毒予防に役立つ情報についても紹介していく予定です。