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【要チェック!】夏場の食中毒対策(大阪市内の飲食店向け)

2025年07月13日 16:09

今年の大阪は、例年にも増して暑い日が続いている気がしますね。

飲食店を営業されている皆様も、まさに夏本番を向かえますね。美味しいお料理と 涼しい空間で、

お客様に最高のひとときを提供されていることと思います。

そんな中で、先日(6月24日)、大阪市健康生活衛生部生活衛生課食品衛生グループからの 速報で、

大阪市内の飲食店オーナーが特に気をつけなければならない食中毒菌の動向がわかってきました。


食中毒菌の動向(大阪市内の飲食店における) 速報値


「カンピロバクター」

令和7年6月24日までに大阪市内で発生した食中毒の主な原因菌として、

「カンピロバクター」が最も多かったとのことでした。

これは、飲食店を経営する人達にとって、まさに「警報」です。

カンピロバクターと聞くと、「鶏肉」を思い浮かべる方も多いかもしれません。

この菌、実は厄介な特徴を持っているんです。

「カンピロバクター食中毒は、他の細菌性食中毒と異なり、 原因食品が不明の事例が極めて多い」

ということです。 これは、食品の安全に関する専門機関である東京顕微鏡院さんの情報にもあるように、

カンピロバクター食中毒の大きな特徴なんです。

では、具体的にどんな食品が原因になっていることが多いのでしょうか?


東京顕微鏡院さんの情報や東京都食品衛生の窓による情報を調べてみると、

「判明した原因食品は、ほとんどが鶏たたき、鶏刺し、鶏肉ユッケなどの生鶏肉料理でした。

炙り焼き、焼き鳥などの焼き物では、加熱はされているものの、 カンピロバクターが死滅する

75℃で1分以上の加熱がなされていなかったか、 加熱後の二次汚染が考えられるのではないか

との見解でした。 また、鶏肉のコース料理が関与した事例では、様々な食材が含まれており、

食品が特定されていないケースもあったそうです。 しかし、多くの事例がレバーや鶏刺しなどが

含まれた料理であったそうです。」


つまり、「生」や「半生」の鶏肉料理(鶏たたき、鶏刺し、鶏ユッケなど)は、

注意が必要だということです。「焼いたから大丈夫!」と思っていても、

加熱が不十分だったり、 焼いた後に生肉を触った器具で触ってしまったり(二次汚染)

することで、 菌が付着してしまうケースも多いのではないでしょうか?

コース料理など、色々な食材が提供される中で、「まさか、あの料理が原因だったの?」と

特定しづらいことも、カンピロバクターの隠れた怖さです。

お客様は、まさかあのお店の料理で体調を崩すなんて全く思いもしません。

だからこそ、飲食店のプロが、提供するすべての料理に責任を持ち、

細心の注意を払う必要があるんですよね。


見過ごせない!カンピロバクター感染の恐ろしい後遺症

カンピロバクターは、単にお腹を壊すだけでなく、もっと深刻な症状を引き起こす

可能性があることをご存知でしょうか? 「そして、怖いのは、手足の軽い神経麻痺から始まり、

下肢から上行に麻痺が進展し、 歩行困難となる場合もある。

数週間でほとんどが回復するが、治癒するまでに長期間を要することがある。

重症の場合は呼吸筋麻痺が進行し死亡することもある。」 これもまた、東京顕微鏡院さんから

発信されている、飲食店のプロが肝に銘じるべき情報です。

お客様に「美味しい」と笑顔になってもらうことが非常に大切ですが、

その裏には「安全」という大前提があることを、決して忘れてはいけません。


いますぐできる!カンピロバクターからお店を守る3つの鉄則

このカンピロバクターから、お客様とお店を守るために、 具体的に何をすれば良いのでしょうか?


1. 鶏肉は「徹底加熱」が命! どんな鶏肉料理も、中心部まで「75℃で1分以上」

しっかり加熱してください。 見た目で判断せず、必要であれば中心温度計を活用しましょう。

鶏刺し」「鶏たたき」「生レバー」など、生や半生の鶏肉料理の提供は、

極めてリスクが高いことを 再認識してください。

お客様の健康を守るため、提供を控える、あるいは提供する場合はお客様への 十分な説明と

注意喚起、そして、本当に厳しい衛生管理を徹底することが不可欠です。

(なお、自分が夏場は飲みすぎてしまいますので、飲みすぎで体の免疫機能が弱っていることも

食中毒の関係するのではないか?とも思ったりします。個人的な意見ですが。)



2. 「交差汚染」を絶対に防ぐ! 生肉を扱った包丁、まな板、トング、バットなどは、

他の食材(特に加熱済み食品や生野菜)に 絶対に使い回さないでください!

生肉を扱ったら、必ずその場で徹底的に洗浄・消毒すること。

できれば、生肉専用の調理器具を用意し、色分けなどで区別するのがおすすめです。

生肉に触れた手は、すぐに石鹸で丁寧に洗い、消毒液を使うなど徹底しましょう。

また、調理場内で二次汚染防止のニトリル手袋などをして作業していても、

手袋の交換時と手洗い時に手袋の付け忘れも注意しましょう。


3. 調理後の「スピード勝負」と「適切な保管」! 加熱調理した料理は、常温で放置せず、

速やかに冷却して冷蔵庫へ入れましょう。 菌が増殖する「危険温度帯」(約10℃~60℃)に

置く時間を最小限にすることが大切です。


最後に一言

食中毒は、一度発生してしまうと、お客様の健康を脅かすだけでなく、

お店の信頼と評判を大きく損ねてしまいます。

大阪市内の保健所の皆さんも、 飲食店を経営している皆様の安全な営業をサポート

してくださっています。

この夏も、飲食店オーナーや従業員の皆様が衛生管理の意識を高く持ち、

お客様に心から「美味しかった!」「安心だね!」と言っていただけるお店作りに、

一緒に取り組んでいきましょう!


これからも、飲食店を開業している皆様や開業予定の人達にとって、

飲食店営業に役立つ情報をお届けしていきますので、どうぞご期待ください!

特に、食中毒防止に役立つHACCPの導入支援の情報やチェックリストなどの 書式集に

ついても、随時情報提供していく予定です。