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「HACCP」で「ノロウイルス」からお店と自分を守る

2025年11月20日 14:29

いよいよ冬の足音が近づき、朝晩の冷え込みが身に染みる季節になりました。

空気が乾燥し始めると、私たちが特に気をつけなければならないのが、インフルエンザや、そして食品を扱うプロにとって最大の脅威とも言えるノロウイルスです。


飲食店や食品製造に携わる皆さんなら、HACCP(ハサップ)という言葉を耳にしない日はないでしょう。

2021年の義務化以降、「大変そう」「ウチには関係ない」と感じていた方も、今や食品衛生管理のスタンダードです。


特に個人経営の店舗や小規模事業者は、「簡略版HACCP」という形で運用が認められています。

このHACCPは難しそうな管理計画や温度記録も大切ですが、突き詰めて考えると、毎日当たり前にやっていることの確認と記録なんです。

HACCPの3つの「やるべきこと」


簡略版HACCPで求められることは、主に以下の3点に集約されます。


1. 衛生管理計画の作成

2. 温度管理や掃除の記録

3. 従業員の体調管理


この中で、私たちが最も心に留めておきたい、そして今回のテーマであるのが3番目の「従業員の体調管理」です。


店舗や工場の設備を整えることよりも、実は「人」、つまりそこで働く私たち一人ひとりの状態こそが、お店の信頼とお客様の安全を左右する、最もデリケートで重要なポイントなのです。


なぜ、こんなにも「体調管理」が重要なのか?

「体調管理」と聞くと、なんだか義務感を感じるかもしれませんが、これは私たちプロフェッショナルの「お客様への愛」と「お店への責任」そのものだと私は考えています。


従業員は、仕事に従事する前に、自分の体調を申告して記録を付けなければいけません。従業員が、自分の体調管理の良い悪いの判断は客観的につけてもらうべきです。


そして、店舗や工場の責任者は、従業員の体調管理にも注意しておきましょう。体調が悪いというのが、あくまでも一時的なものなのか、感染して体調不良なのかをヒアリングすることも大切です。


ノロウイルスは、感染力が非常に強く、わずかなウイルス量でも感染が成立します。そして、「ヒト」から「ヒト」へ、「ヒト」から「モノ(食品や調理器具)」へと、あっという間に感染経路を広げてしまうのが最大の特徴です。


仕事前の「セルフチェック」がお店の命綱


私たちが仕事に入る前、たった数分で行うセルフチェック。これが、お店と自分を守る最初の防衛ラインです。


セルフチェックの例

・爪は短く切ってあるか?(ここが意外と盲点!爪の間は汚れが溜まりやすいんです)

・服装に乱れはないか?(清潔なユニフォームは、気分も引き締まります)

・手洗いは適切に済ませたか?

・発熱、下痢、嘔吐の症状はないか?

など、自分のお店に合った内容の項目を盛り込んで下さい。


特に、体調を崩しているときは絶対に無理をしないでください。「少し熱っぽいけど、休むとお店に迷惑がかかるから…」

という気持ちは痛いほど分かります。小規模事業者は、人手が限られていますから。


しかし、その「少し」の無理が、大規模な食中毒事件に発展し、お店の信用を失いかねません。熱や下痢、嘔吐といった自覚症状がある場合は、勇気を持って仕事への従事を控えるという判断が、真のプロ意識です。これは、お店の経営者にとっても、スタッフを守るための重要な決断です。


また、ご家族に同様の症状が出ている場合も、細心の注意を払う必要があります。家庭内でウイルスを持ち込んでしまうリスクを意識することが、冬場の予防には不可欠です。


「個人のエチケット」を超えた衛生管理


日々の体調を記録し、個人衛生を徹底することは、もはや「エチケット」の範疇を超え、「安全な食品を提供する義務」ですらあります。


毎日のチェックシートに「問題なし」とチェックを付ける行為は、「今日一日、私はプロとしてお客様に安全を届けます」

という自分自身への誓いだと捉えてみませんか?この小さな日々の積み重ねこそが、万が一の事態を防ぐ、最強の予防策になります。


また、見落としがちなのがトイレの衛生管理です。

ノロウイルス対策として、日常の清掃に加え、ノロウイルスを不活性化する効果がある次亜塩素酸ナトリウムの希釈液を常備し、定期的な塩素消毒を行うことを強く推奨します。目に見えないところへの配慮こそが、食のプロの真骨頂です。


「続けられる」HACCP運用を目指して「簡略版HACCP」は、決して形式的なものではありません。お店の安全を守るための「武器」です。


しかし、忙しい日々の業務の中で、「記録が続かない」「様式が複雑で分からない」といったお悩みもよく聞かれます。


もし、貴店オリジナルの、本当に使いやすい様式作りにお困りでしたら、行政書士として、HACCPの導入・様式作成の支援も行っております。


一つひとつの店舗や工場の業務内容に寄り添い、「これなら続く」という書式を一緒に作り上げていくことができます。

冬を迎え、ウイルス対策が本格化する今だからこそ、もう一度、「個人衛生」と「体調管理」という最も基礎的で、最も大切な部分を見直してみませんか。


お店とお客様の笑顔を守るために、私たち一人ひとりのプロ意識で、この冬も乗り越えていきましょう!


お悩み相談:記録が続かない、様式がわからない方へ


「うちのお店にぴったりの記録様式が欲しい」「忙しくても続けられる方法を知りたい」といったご相談がございましたら、お気軽にご連絡ください。


貴店の運営に寄り添ったHACCPの運用をサポートいたします。あなたのお店のHACCP運用に関するご相談は、いつでも承っております。