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飲食店や食品工場のオーナー様に向けて、現場の「人」と「組織」を守る就業規則の重要性

2026年06月03日 13:28

飲食店や食品工場のオーナー様に向けて、現場の「人」と「組織」を守る就業規則の重要性



飲食店や食品工場を経営するオーナー様、日々の店舗運営や衛生管理、そして「スタッフの採用・育成」にお疲れ様です。


現場の離職率に悩む経営者から時々「辞めないお店・工場にしたい。就業規則を作りたいけれど、何から始めれば良いかわからない」というご相談をいただきます。


就業規則は、単に「トラブルが起きたとき、会社を防御するための盾」ではありません。


スタッフが安心して長く働ける環境(福利厚生や評価など)をわかり易く文章化したもので、ある意味、現場の「人」と「組織」を育てるためのお守りになり得ます。


今回は、特に人の出入りや雇用形態が多様な「食」の現場に向けて、就業規則の基本と、見落としがちな注意点をわかりやすく解説します。



就業規則の基本:法的ルールと「10人の壁」

就業規則とは、労働時間や賃金、休日、退職など、職場のルールを体系的にまとめた文書です。

労働基準法(第89条・第90条)により、「常時10人以上の労働者」を使用する事業場(店舗や工場ごと)には、就業規則の作成と労働基準監督署への届出が義務付けられています。


ここで、飲食店や食品工場のオーナー様が最も誤解しやすいポイントが2つあります。


1. 「正社員」だけではなく、パートやアルバイトも人数に含まれる

シフト制で働くアルバイトやパートスタッフも、常時雇用している状態であればすべて「1人」とカウントされます(※派遣労働者は派遣元でカウントするため除きます)。


2. 本社ではなく「事業場(店舗・工場)単位」でカウントする

店全体で30人いても、A店に8人、B店に8人、工場に14人の場合、義務が発生するのは「14人」いる工場のみとなります。


10人未満の店舗・工場でも、なぜ必要なのか?

法律上の義務がなくても、10人未満の段階から就業規則(または簡易的な労使ルール)を作っておくことを強く推奨します。


その理由は3つあります。


・認識のズレによるトラブル防止: 「言った・言わない」の口約束は、特にシフトや手当の面で不信感を生む原因になります。


・不公平感の解消: スタッフが増えた際、人によってルールが違うと職場の雰囲気が悪化します。


・助成金の活用: 雇用に関する国の助成金を申請する際、就業規則の整備が必須要件になっているケースが多くあります。


オーナー様への大切な注意喚起

「よし、じゃあネットの雛形をダウンロードして作ろう!」と思われるかもしれません。


しかし、食の現場には「シフト制」「深夜労働」「衛生管理の遵守(髪型や爪、体調報告のルール)」など、特有の条件があります。


実態に合わない雛形をそのまま使うと逆に法律違反となり、経営リスクを抱えることになりかねません。


また、大変恐縮ながら、私ども行政書士は、就業規則の作成・変更の代行手続きを法律上行うことができません。(これらは社会保険労務士の独占業務となっております)。


しかし、「現在のスタッフ数が義務化の対象になるかどうかの診断」や、「現在の職場の課題整理」「信頼できる社会保険労務士の先生への橋渡し」など、オーナー様の一番の相談相手としてサポートできることはたくさんあります。


「うちの店は大丈夫かな?」と少しでも不安になられたら、まずは現状の整理からしましょう。


その際は、お気軽に当事務所へご相談ください。一歩ずつ、強い組織を作っていきましょう。