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不法就労のリスク管理だけでなく、特定技能制度などの活かし方(その1)

2026年06月10日 17:53

不法就労のリスク管理だけでなく、特定技能制度などの活かし方(その1)


飲食店や食品工場において、慢性的な人手不足は深刻な問題です。いまや外国人留学生のアルバイトやパートなしでは、日々の現場が回らないという店舗も少なくないでしょう。


しかし、貴重な労働力である一方で、外国人雇用には法律の厚い壁が存在します。


もし知らず知らずのうちにルールを破ってしまえば、お店の信用を失うだけでなく、最悪の場合は経営者自身が逮捕されるリスクすらあるのです。


今回は、実際に起きた逮捕事例をもとに、現場の店長や経営者が絶対に知っておくべき「リスク管理」と、一歩進んだ「仲間としての迎え方」について解説します。


飲食業界に激震。人手不足の裏に潜む「不法就労助長罪」の恐怖

少し前に、ある飲食店チェーンで、外国人留学生を法定時間を大幅に超えて働かせていたとして、社長を含む関係者6名が入管難民法違反(不法就労助長罪)の容疑で逮捕されるというショッキングな事件がありました。


驚くべきことに、最大で「週80時間超」という深刻な超過勤務が行われていたのです。


この事件の恐ろしいところは、両罰規定として現場の店長だけでなく、会社トップである社長までもが逮捕されている点にあります。


この事件で摘発された具体的な内容は以下の通りです。


・留学生を法定上限である「週28時間」を超えて勤務させた

・「資格外活動許可」のない外国人を勤務させた

・在留期限が切れた「オーバーステイ」の外国人を働かせた

・店舗を統括する人や店長が、これらを組織的に隠蔽・関与していた


「人手が足りてないから」、「本人がもっと働きたいと言ってたから」という言い訳は、警察、入国管理局、労働基準監督署など関係する行政機関には一切通用しません。


それでは、いったいなぜ現場でトラブルが頻発するのか?

このような事件が起きる背景には、業界全体の慢性的な人手不足があります。


しかし、それ以上に問題なのは「経営者と現場(店長)の温度差」です。


経営者がどれだけ「法律を守れ」と口で言っていても、毎日のシフト管理に頭を悩ませている現場の店長が法律を正しく理解していなければ、意味がありません。


結果として、以下のような違反が現場の独断で起きてしまうのです。


1. 許可時間の超過:テスト期間の穴埋めなどで、うっかり週28時間を超えさせてしまう。

2. 在留資格外の業務:やってはいけない職種や業務に就かせてしまう。

3. 在留期限切れ(オーバーステイ)の放置:採用時は問題なかったが、更新手続きを忘れていた。


これらは「知らなかった」では済まされません。


不法就労を助長した側には、「5年以下の拘禁刑(懲役・禁錮)もしくは500万円以下の罰金、またはその両方」という非常に重い罰則が科せられます。



次回は、具体的な対応策や考え方について、深堀していきます。